2025年7月6日(SUN) | 新作「交響唱ⅡSymphonic Legend “KOSMOS or CHAOS?”」を投稿しました。楽曲や付随する世界観、物語等、一挙公開。

2025/10/04(Sat) 歌ってみたCollection2025秋 TOP100部門投稿作品『熱異常』

Information

2025/09/25(Thu)~2025/09/29(Mon)
結城碧くんの歌ってみたCollection2025秋 TOP100部門への投稿作品『熱異常』に関しまして、
WAVE4名、各々の分野にて各自全面協力をさせて頂きました。
こちらは制作時の各種データの配布ページとなります。
詳しい解説につきましては、ご本人のFANBOXへLilyより寄稿させて頂きました。
ご興味ある方は是非併せてご確認ください。
末筆となりましたが、碧くん、第1位受賞、誠におめでとうございます!

Music Video(Full)
▼ニコニコ動画版はこちらから▼
https://www.nicovideo.jp/watch/sm45446800
楽曲概要

『歌踊コレ2025秋 CollectionTHE ONLINE』 TOP100部門 第1位受賞作品
【全力の原キーで】熱異常 / いよわ (Covered by.結城碧) 【オリジナルMV】

Lilyより御挨拶
線画:Morrigan 塗:あしゅ
応援して下さった視聴者の皆様、そしてこれから上位を目指す若き原石達へ。

皆様、こんにちは。
今回の結城碧くんの『熱異常』に関しまして、
コーラスアレンジ(追加アレンジ部分作詞)、サウンドディレクション、及び 各種プランニングを担当させて頂きましたLilyと申します。

私達の『最後の戦い』にお付き合い下さいました結城碧、並びに制作陣営各自のファンの皆様、
多大なるご声援、そしてご協力、誠にありがとうございました。
そして、Mqkiさん、吉沢ぽわさん。
一瞬も気の抜けない熾烈な接戦、とても楽しかったです。
少なくとも私にとっては最後の順位戦にて、貴方がたのような素晴らしいアーティストと戦えたことを誇りに思います。


元々はニコニコ動画出身の私ですが、久しく足が遠のいておりました2021年。
結城碧の歌と出逢い、彼を起点に完全に世代交代した若手さんとの交流が始まって、
最終的には私も不思議な形で巻き込まれ始めました2023年秋のエスピアツィオーネより、
交響唱(100人合唱)、アンノウン・マザーグース、そして今回の熱異常と、合計4度の戦いを経験させて頂きました。

歌コレというイベントは発展途上で、回を追うごとに状況が変わっていきます。
皆まで言いませんが、毎回何かしら燃えていますしね。実にニコニコらしいです。
でも、毎回何かしら変わっていく――。
それは運営さんがイベントをよりよいものにしようと頑張っていらっしゃる証拠でしょう。
私の挑戦は今回で最後となりますが、今後も素敵なドラマを見せて下さることを楽しみにしています。

そして本日筆を取りましたのは、これから上位を目指される皆様へ、
元々は圏外に嘆いていた結城碧の「勝ちたい」と共に2年を歩んだ私の立場からお伝えしたいことがあったからに他なりません。

バチバチに戦った後にどなたかのスペースに参加者さん達がたくさん自然に集まってきて、
和気藹々と最終結果発表を観戦する4日目終わりのあの時間が、私は歌コレ開催の時間帯の中で一番好きです。
さっきまで「結城碧を倒す!」とか言われていた面々とぎゃーぎゃー楽しく雑談している状況、昔のニコ動なら正直、ありえませんでした。
あの当時は投稿者も視聴者も、みんなもっと大人げなかったので、敵に塩など送らない…。(苦笑)

なので、現状のTOP100参加陣営のスポーツマンシップは本当に素晴らしいと思います。
これからも継承していってほしいな、とそんな想いを込めて、ここに私の知る限りの情報を書き綴りたいと思います。


まず、私個人の見解となりますが、歌コレは『eスポーツ』
不明瞭な部分もあるルールの中であらゆる手を尽くした者が上位を手にする、割と熾烈な『競技』だと認識しております。
ちなみに私は2年前からずっと『4日間寝不足ランキング』と呼んでいました。
運営さん、何卒、月曜日終了だけは勘弁してもらえませんかね。()
各方面、有給や体調に打撃が入る歌コレ5日目の戦い、いろいろとツライです。(泣)

要は、『頭脳戦』なんです。
普通のコンクールとは訳が違う。だって、採点基準がわからない。
再生数、コメント数、いいね数、マイリス数が指標となる。広告もちょっと意味あるかもね☆
……以外の情報、ほぼないじゃないですか。

「どの項目がどれくらいの加点なのよ!?」
なるほど、解せぬ。
クラシック出身の私は正直かなりの苦手分野です。
課題曲が決まっているわけでもなく、投稿されるジャンルは数多の闇鍋。
どう、戦え、と……?(困惑)

でも、文句言ってても始まりません。
「戦いは……歌コレの前から始まっている……。」
2024年秋TOP100ランキング覇者、つきみぐー君の言です。
「デスヨネー。()」

上等じゃ無いか、くりたしげたか。
要は、全部の数字でトップを取ればいいんだろ!!!(脳筋)

いいねやマイリス数は「応援してくれる人の純粋な数」と言い換えられます。
事前告知でどれだけわくわくしてもらえるか、大事ですよね。
そして、開催期間中に動画に気付いてくれたご新規様に気に入ってもらえるだけの作品クオリティ。
当社比最高峰でお届けする以外に道がない。

コメント数は「4日間この若干不毛な戦いに付き合ってくれる人の数」ですよね。
もはやX等で真摯にお願いするしかありません。
お付き合い頂きました皆様、寝不足にさせてしまって本当に申し訳ございません。
だんだん皆さんテンションおかしくなってきて、最後には過激派湧いていたの、本当に可笑しかったです。
「高音で本社を爆破しろ」でしたっけ…(笑)
あの会話の流れが発生した際に、巡回放送をされている配信者さん側では、
「コメントが過激すぎてコンプライアンス的な問題で紹介できない~!」なんて裏側があったそうです。草です。

たくさんのコメントを頂けるか――。
それに必要なのは「良い意味で悪ノリできるポイントがあるか否か」だと思います。
人を不快にさせるようなものは駄目ですよ?
普段は書き込まない方も「wwww」の一言でも書いて頂けるかどうか。
歌コレにおいて私達制作陣営は、4日間の視聴者様との文字交流の“会場”を作っているのかもしれませんね。

再生数はそのどちらも、でしょうか。
広告は……金は力…。とりあえず、働きますね……。


音楽には『4つの要素』と言われるものがあり、
①リズム(律動)
②メロディ(旋律)
③ハーモニー(和音)
④音色(楽器の種類)

で構成されていると言われています。
これを修得できる学問が「オーケストレーション」と呼ばれ、
その前提として『和声』や『対位法』などの理解が必要になります。

上記のような知識、表現技能を修得し、音楽的な各実力を高める努力をすれば勝てる。
それが普通のコンクールや審査ですよね。

結城碧に「当時のLilyさんが歌うならという前提でアレンジをしてもらえないか」
という突飛な発想を提示された2年前より、私はずっと上記の提案を却下し続け、
「彼の現状の得意分野」を活かす「彼専用」のアレンジを組んできたつもりです。

当時の彼の得意分野は
・直線的な表現(元気であったり、素直であったり、迫力であったり。)
・滑舌の良さ(旋律をはっきりと聞かせる)
そして
・音色自体、要は楽器=『歌声』そのものの魅力
この3つが突出して高かったように思います。

一方でピッチの正確性、強⇔弱の使い分け(曲線表現)、複雑なハーモニーに対する理解など、
まだまだ勉強しなければならないことも当時はたくさんあり、何曲もご一緒するディレクション作業の流れで、
少しずつ、着実に、たくさんの技術や知識を修得されていった“努力の化身”が今の彼だと思います。
皆様もご存じのとおり、アンノウン・マザーグースの時点で相当に上達されていたのではないでしょうか?


ですが、それだけでは勝てないのが『歌コレ』なのです。
皆さん、各自仰っていると思います。

「“良い”歌が上位に来てほしい」

では、歌コレにおいてのこの、“良い”の正体って何でしょうか?
私はずっと、自身には足りないであろう『5つ目の要素』が何なのか、言語化できずにいました。

劇伴音楽の作編曲が専門分野なこともあり、
上記のような視点から結城碧に新たな戦略を提案することは当時から可能でしたので、
今回、たしか歌コレ2025春の最中でしたでしょうか。
「アンノウン・マザーグースの難易度を編曲側でも超えろ」と彼に言われた際、
それを実現するお約束自体は正直容易かったのですが、
(※アンノウン・マザーグースは引き算の編曲となり、全ての箇所が難しいわけではない為です。)
「それだけでは勝てないのかもしれない」という予感がずっと頭の片隅にあった次第です。


この話は結城碧にもしたことがございませんが、実は半ばごり押しで熱異常を選曲し、
制作が始まった4月以降も私はこの不安をずっと抱え続けたまま9月中旬を迎えます。

『緊急事態発生』

動画でネタと化していたそんな文字列ですが、ここでそれが起こります。
まぁ、要は、予定していた“第一案”が各方面の作業の遅れにより間に合わないことが“私の中”で確定しました。
※いつもなぜだかタイムキープは私の仕事です。

9月12日のことだったでしょうか。
あしゅ、私、そして結城碧でVC会議が開催された時、私は彼にそれを告げました。

「現実を見てください。今日の段階で全てのデータが揃っていない。」
「絵も、エディット済データもいつ仕上がるのかわからない。
 いくら毎度徹夜上等のこの面々であっても、もう、物理的に間に合わないよ。」

ドはっきり。私はだいたいいつもこんな感じです。ごめんな、結城碧。()
しょんぼりした彼に私は迷いながら選択を課しました。

「諦める?それとも第二案、発動します?これは君の戦いだ。君が決めなさい。」

そう、この切羽詰まった状況の中で、私自身がようやく、
上記、5つ目の要素に朧気に辿り着いたからこその、私自身も迷いながらの言語化、結城碧への提案でした。

だって、前例がない。
学問側から音源のクオリティそのものを詰めるのは私の得意分野ですが、
これについては成功の確約ができなかったんです。

『逆境こそ楽しめ』――。
『ピンチはチャンス』――。

「この状況全てを、私達のここまでの軌跡を全て晒して、視聴者様に“笑って”頂きましょう。」

エンターテイナーであれ。
より多くの人を“ニコニコ”させた者が歌コレでは勝つんだよ。

ここまで“あと一歩及ばず”を2度も経験した私なりの『答え』でした。

ずっと「真面目に超難易度」、タグでいえば「歌ってみろキラー」でしょうか。
これもまたニコ動のひとつのネタだとは思います。
そんな“単一要素”にこだわり続けてきた結城碧に
こんなことを歌コレの2週間前になって言って果たして受け入れてもらえるのか、私にはこの時わかりませんでしたが、
「不戦敗になるよりはいいだろう」とこの段階でようやく、内心は恐る恐るの提案となりました。

「やります」

彼のそんなハッキリとした回答を皮切りに、
サードインパクト(※ここまでで既に2回締切破ってるからね…。苦笑)が発動する次第となったのが、
今回の“第二案 発令”だったのです。

結局必要なデータが揃ったのは19日~21日でしたので、
12日の方針変更決定後からだいたいのプランニング、いわゆるコンテの作業は終わらせていたものの、
動画でもタイムの記述があったとおり、22日からこの第二案の音源制作と動画制作が開始されるド修羅場となりました。

結城碧が最終結果発表時のコメントで仰っていたとおり、もはやサウンド班だとかムービー班だとかお構いなし。
“全員”でどこをどうしたら面白いか考え始める謎の戦いが開幕…。
ちょっとでも微妙な案には、誰かから誰かへ「おもんない」「ダッサ」の罵声が飛ぶ…。
「私、才能ないかもしれない……!」
「面白いってナンデスカ……!?」
各自打ちのめされる、メンタル。
なんだ、この阿鼻叫喚は。反省しろ、結城碧。(n回目)

そんなわけで、あの動画…、となったわけでしたが、
結果的には突っ込みどころが多かったせいか、皆さん楽しんで何度も再生して下さっていたようで
もう何度目かわかりませんが、本当にありがとうございました。
おかげさまで素敵な結果を頂けた次第です。


その他、開催期間中の制作者サイドが寝不足になる原因ですが、
私の場合の戦い方は、ですが、「統計取り」の作業が挙げられます。
毎時の上位に居残れない回が多ければ多いほど、ご新規様が動画の存在に気付きづらくなってしまいますから、
1時間毎の各動画の指標数字の事細かな記録、そこから導き出される加点行動の推測。
状況に応じて臨機応変に宣伝行動などを挟む機転。
まさに仲間との連携力、そして各自寝不足状態で視聴者様を巻き込んでいくアドリブ力、カリスマ性が試される。
4度の戦いで、私はそう感じております。

「俺が記録はやっておくから、皆、寝て。」
3日目の朝のにーさんは、最高にイケメンでした。

この採点基準については公式としては非公開情報となり、
前の回の統計データが次の回にも役に立つとは限りませんが、
やってみると“見えてくる”こと、次の回への糧とできることが必ずあると思います。


以上を持ちまして、私からの総括を終了させて頂こうと思います。

末筆となりますが、これから上位を目指される皆様、そしてそれを応援する視聴者の皆様へ。

イベントに挑戦した時点で、私達は『公式の提示するルール』に同意したことになります。
純粋な音楽のクオリティや歌のうまさだけでは勝負にならない、
そういった意味でつらい点も多い歌コレではありますが、『これぞニコニコ』だと私は思います。

たくさんの方との“交流”を促されている。
私はここまでの経験で、そう感じます。

歌コレを経験しなければ、私もまた黙々と制作作業ばかりしている人間でしたので、
知らない方、普段の趣味嗜好以外の作品を聞く機会に恵まれることはなかったと思います。
凝り固まりつつあった自分に、新たな観点、そして多数の出逢いをもたらしてくれたニコニコに、感謝の意を。

厳しい戦い、答えのわからぬ戦いにつらい思いを抱いている方もたくさんいるのではないかと思います。
どうか心折れずに「全ての技能」を磨いていってください。
まずは「視聴者様を唸らせる作品のクオリティ」、そして「皆さんを楽しませようとするエンターテイナー性」
アーティストに必要な全てを試されている――。
それが私からの歌コレへの回答です。

これを綴ることで誰かの一助となれましたら嬉しく思います。
そして、私もまた、今後の成長に繋げていきたいと思います。

最後に。
結城碧くん、私をもう一度ニコニコ動画に引き戻してくれて、ありがとう。

Lily(WAVE)

P.S.
以下、結城碧のFANBOX(有償記事)では、今回の楽曲の解説や未公開音源等の処理を担当させて頂きました。
1stアルバムの制作も決定し、これから新たな第一歩を踏み出す結城碧くんをご支援したいファンの皆様、
また、内容にご興味のある方、是非ご加入ご検討くださいませ。

結城碧 FANBOX 解説記事 (低音域プラン 支援者様限定記事)
Vocal Only version
オリジナルMV用イラスト(illustrated by 中村エイト)
制作者(担当作業)一覧
スクロールできます

結城碧
Vocal | Narration(Lyrics)
Lily(WAVE)
Lily(WAVE)
Story Planning | Lyrics(Inter-section / Narration)
Cho.Arrangement | Sound Direction(Edit / Mix) | PV Planning

Morrigan(WAVE)
Sound Engineering(Mix / Mastering)
Arrangement(Inter-section)
にーさん
にーさん
Sound Engineering(Edit)
中村エイト
中村エイト
Illustration
暁星ちかげ
暁星ちかげ(WAVE)
Movie

あしゅ(WAVE)
Sound Engineering(Edit) & Movie(Assistant)
結城碧用 全収録用データ

使用規約【WAVE OFF VOCAL LIST】

ボカロガイド(ALL TRACK)

※2025年4月頃にLilyが作成させて頂いたボーカロイド版のガイドメロディを最終版として調整して書き出したものとなります。
※パラデータにつきましては以下のZIPに格納してあります。こちらは当時のデータのままですので一部エフェクト効果が変わっています。

収録用データ一式(ZIP)

※MIDI(Vocaloid Editerから書きだしたものなので一部歌唱表現調整の為違和感があるかもしれません)|Vocaloid Guide(※結城碧へ配布した当時のままのパラデータ)が入っています。
※一部インストアレンジ及びSEにつきましては、結城碧のFANBOXにて公開させて頂いております。

告知配信(2025年9月7日)
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この記事を書いた人

Lilyのアバター Lily Vocalist|Lyricist|Composer|Planner

うさぎと暮らすWAVEの何でも屋担当。若干病弱でイベント翌日はだいたい昏倒している。
元々はニコ動の歌い手で、複雑な多重コーラスを作って歌うのが得意技。
母の意向で2歳からYAHAMA音楽教室に無理やり通わされた絶対音感持ちだが、
楽譜の指示を守れない創作脳な為か、ピアノの先生には「貴女のショパンはショパンに失礼」と評された。
すぐ食べるのを忘れて痩せ細るので周囲の友人がみんな餌付けに走りがち。
昨今は無類のコスメ・美容好きで家は薬局と化している。